人間が「十人十色」といわれるように、採れる花によってはちみつにもそれぞれ味や色や香りに個性があります。百の花があれば、百のはちみつが生まれるということです。また、同じ花でも採れる場所や気候によっても変化があります。現在世界に存在するはちみつの数はなんと1000種類を超えているといわれています。
はちみつを大きく分類すると、花蜜から採れるはちみつと樹液から採れる甘露蜜があります。蜜源となる花は、野に咲く草花や樹木の花、ナッツの花、フルーツの花、ハーブの花などあらゆる種類の花々です。またひとつの花から採蜜された単花蜜だけではなく、たくさんの花々の蜜をみつばちが集めてきて、
自然にブレンドされた百花蜜(マルチフラワー)があります。だから、ひとつとして全く同じ味、色、香りのはちみつは存在しないのです。
草花のはちみつ
野に咲く花のようにやさしい香り。味の余韻がお花畑を連想させてくれます。エレガントさや、強いインパクトはないものの、マイルドで何とでも合わせやすいのが特徴。ひまわり、しゃくなげ、クローバー、たんぽぽなど。
樹木のはちみつ
ほんのりとわかる樹の香り。渋みが感じられるものもあり、味はさっぱり、あっさりめ。舌触りもさらっとしていて、結晶化しにくいものが多いので冷たいドリンクに溶かしやすいです。菩提樹(リンデン)、アカシア、レザーウッド、ハゼ、トチなど。
ハーブのはちみつ
花や葉から強い香りを放ち、心を落ち着かせるアロマ作用を持つハーブ。そのハーブの花から採れたはちみつもまた強い花の香りを放っています。アロマ効果をはちみつで実感できます。ラベンダー、ローズマリー、タイム、ユーカリなど。
ナッツの蜂蜜
ナッツを思わせる色とこうばしい香りが特徴。くりのはちみつは渋皮のほろ苦さも感じさせます。全体的に個性的で強い味です。ナッツやチーズとの相性は抜群。アーモンド、くり など。
フルーツのはちみつ
さっぱりとしてさわやかな香り。柑橘系の花は鼻に抜ける酸味さえ感じられます。ベリー系の花はフルーツそのままの香り。レモン、オレンジ、ラズベリー、ブラックベリー、さくらんぼなど。
甘露蜜のはちみつ
みつばちが求める蜜源は花だけではなく、樹液を吸った昆虫から出される分泌液もそのひとつ。これをみつばちが巣に持ち帰り甘露蜜となります。樹液はもともと濃度が濃く、そこから作られたはちみつはこっくりとしていて味に独特の深みがあり、色も褐色のものがほとんど。ミネラルを多く含みます。
もみの木、メラータ(甘露蜜)、クリスマスツリー、樫の木など。
百貨種のはちみつ
たくさんの花々の蜜をみつばちが集めてきて、自然にブレンドされたはちみつ。複数の花の蜜が含まれているせいか、濃厚な強い花の香り。
森のはちみつ、山のはちみつ、春の花々、クリーミーマルチフラワーなど。